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コラム

ファンタビに見る1920年代の「モダンファッション」の魅力

ちょうど1年前の2016年11月23日、あの「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフ作品「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」、通称「ファンタビ」が劇場公開されました。

いわゆる「ハリーロス」に陥っていた筆者の心を癒すように、懐かしい魔法と重厚な世界観を見せてくれた今作。

主人公であるニュート・スキャマンダーは初出のキャラクターかと思いきや、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の忍びの地図で名前が登場しているなど、歴代のファンがニヤリとする存在でもあるのです。

今作は物語の世界観だけでなく、作品内でキャラクターが身につけていた「ファッション」も大きな注目を集めました。物語の舞台である、1920年代のファッションがとても忠実に再現されていたからです。

それだけならただ「すごい」で終わるところ。筆者の目に映ったのは、100年近く前の主人公の出で立ちから滲み出る「かっこよさ」でした。(決して、主演のエディ・レッドメインのかっこよさだけではありませんよ!)

当時、欧米ではシンプルでカジュアルな「モダン・ファッション」の流行が一気に進んでいました。同時に男性のスーツも、20年代から30年代にかけて、胴回りを絞った現代に近いシャープなシルエットに進化を遂げていたのです。

衣服だけでなく、革靴も同じです。19世紀〜20世紀初頭には、現代にもその名を残す数々の靴メーカーが誕生しました。1902年に創業した日本製靴(現・リーガルコーポレーション)もその1つです。

つまり「ファンタビ」の世界は、100年前であるにもかかわらず現代ファッションの基礎が生まれつつあった時代だったというわけです。筆者が感じた「古臭さではないかっこよさ」とは、まさにこのことが起因していたのでしょう。

ニュート・スキャマンダーが身にまとうブルーのチェスター・コート、スーツ、茶色がかった色味のベストという出で立ち。そしてパンツの下から覗かせるハイカットのブーツ。

そこには、現在のいわゆるアスレジャーに代表されるようなジョガーパンツやジャケットなどのスポーティなカジュアルさではなく、フォーマルの中にのぞかせる「トラディショナル」なカジュアルの魅力が、たっぷりと詰まっていました。

そのスタンダードの根底にあったジャケット、パンツ、そして革靴のスタイルは、大人の男として是非取り入れたい、上質な色気やかっこよさが溢れています。

冬の寒い時期。外出すると目に飛び込むのは、クリスマスや年末を彩る美しいイルミネーションの数々です。こうした空間に溶け込むような、いつもよりオシャレで上品なファッションに身を包みたくなりませんか?

そんな時、ぜひ1920年代にタイムスリップしたようなトラディショナルスタイルをチョイスしてみてください。

ただせっかくならピシッと決めるだけでなく、プライベートのリラックス感や大人の余裕を醸し出すような「色合い」も選択していきたいところ。

普段ついつい選びがちになる黒・グレーの色味の中に、ネイビーや緑、茶色、赤や黄色など鮮やかなデザインのベスト、シャツ、コートを選んでみてください。

もちろん、足元の革靴はニュート・スキャマンダーよろしく、ハイカットのブーツです。いつも選ばない色味と少しだけ目線と足元の感覚が変わった世界で街中を歩けば、きっと彼が立っていたファンタビの世界観、空気を感じ取れるはず。

戦争や急激な経済成長の背景で、まさにカジュアルファッションの源流が揃いつつあった時代を象徴する「ファンタビ」のファッション。

今年の冬のファッションは、そんなトラディショナルなスタイルを継承しつつ、ニュートのようなジャケットパンツスタイルとハイカットのブーツで決めてみませんか?

映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』日本版予告(2016)

筆者Profile
サトートモロー
出版業界出身の映画ライター。ライフスタイルに関するコラムや映画批評を執筆。
大のお酒好きですが痩せるために絶賛断酒中です(笑)
趣味:映画鑑賞・ウィンドウショッピング・格闘技
その他:外出時はオシャレで癖のある書店をよく探しています。
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